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11月のよく晴れた日


シサンの過去の仕事中を適当に書いたSSですがな・・・。

思ったこと。
・戦闘がキャラ的な理由もあってワンパターン
・俺は能力者TUEEEEし過ぎ。
・シサンは思ったより書いてて面白くない。葛藤もなにもないプロだから。
・全体的に魔剣士の攻撃は地味すぎる。

ダチとも話してたもんな、
水練や牙道より魔剣×FFこそ、忍んでる忍者の精神を持つものだと。

---
「今日も死ぬにはいい日です、そう思いませんか?」

灰色に朽ちた建物に、冗談のような色彩の青空が華を添える。
場所は建物の屋上。
少年は社会からも地面に穿たれた影からも忘れ去られた存在だ。

「死ぬのにいい日なんてあるのかい。」

片や日に焼けたブラウンの髪を風に踊らせ、黒々と穿たれた影の持ち主が尋ね返した。
死ぬなんて真っ平、とその顔が物語る。

「毎日です。問題なく仕事《ラン》が終ればですが。」

遠くからはかすかな車の音。
そこで少女の持っていた何の変哲もない録音機のスイッチが入る。

「基本時1739時、ラン。お友達《想定人数》は八名前後。」

といった内容が独自の符丁で端的にに吹き込まれた。

ここからが開始だ。
柄にストラップのついた細身の長剣が振られると、幽かな風切り音が響く。

見下ろした先にあらわれたのは数台の防弾仕様車。
何らかの取引が始まるのだろうと思しい。

「ここから?」
「はい。」
「復唱は?」
「不要。」

片手で彼女を制止し、ぞろぞろと現れた男たちが出揃ったのを確認した。
一、二・・・七人。

そこで少年の―光学的に検知不可能であるはずの―影が伸びだし、一人を襲った。
苦痛に身をよじり蹲った一人を確認すると、
回転する刃の手助けを借りてメリーポピンズよろしく重力の制約をクリアし・・・
一人の頭の上に落ちてそのまま頚骨を踏み砕いた。
ほぼ着地と同時に隣の一人の頚動脈を裂き、冗談のように噴出す血液を近くの男が顔面に浴びた。
目潰しによって殆ど無力化した男を捨て置き、向いの男の喉笛を掻っ切る。
鮮やか・・・といってもいいが、芸術的、という言葉を当てはめるには遊びがなさすぎた。
ひゅるひゅるという喉の鳴る音が聞こえて漸く凍っていた事象が動き出す・・・。

修羅場を潜った凄みすら感じさせる男どもが不可解な事象に総立ちになれども、
それでも拳銃を構えたのはプロ意識の故だろう。
ただ、視認できない対象に、点制圧に重点を置かれる拳銃では聊か心もとない。
せめて軽機関銃でもあれば状況は全く一変しただろうが、想定外の自体にそれを彼らに持って来いと言うのは酷であろう。

認識した対象に五秒で命中させるのがプロの技だが、その五秒間を与えるほど彼は優しくはない。
目端の利くものが携帯電話を取り出せば腕を切り飛ばし、防弾コートに張りつくホローポイントに押されながらも淡々と作業を終えていく。
そのうち悲鳴を上げて逃げ出した男は、屋上に立つ先ほどの少女の持ったガトリングの容赦無い一撃に頭部を砕かれ沈んだ。

所詮生身相手だ。五分とかからない。
何処でも見られる電波時計が指す時間を彼女に伝えた。

「1743時、戦闘終了。撤収作業お願いします。」

声をかければ、程無くして先ほどの少女が降りてくる。

「相変わらず早いね。ワンパターンだし。」
「いつでもベストを尽くさねば上に申し訳が立ちませんから。・・・何発反れました?」

コートに張りついた銃弾をポケットに仕舞いこみながら少女の言葉に答えた。
さらにあたりの弾痕の数とすり合わせるために、
手袋をした手で「書類上何処にも存在しない」ありふれた銃弾を追加していった。
これで、交戦者は不明となる。

その隣では「消えてなくなれ」という掛け声とともに全ての有機物が土壌ごと白燐蟲に食い尽くされ、
金属のみがその場に無造作に捨て置かれる。
辛うじて残っていた骨格の一部は・・・油脂も殆ど無く風にカラカラと飛ばされて消えた。
全て確認し終えたところで、飽食して赤く膨れた白い蟲が少女の体内に戻っていく。

「気持ち悪いハナシね。」

食人という禁忌にも近く感じられる行為に、彼女が何度目かのぼやき声を発した。

「これも仕事ですから・・・」
「アンタも気持ち悪い。」

少年の割りきった一言を一刀の元に切り伏せ、次いで新たにレコーダーに吹き込まれる。

「基本時1745時、確認に移る。」

ご丁寧に分かりやすいアタッシェケースに入った内容物を確認し、それがなんなのかを理解せずそのまま持ちかえる。

分かりやすいお使いだ。子供にも十分可能な。
全て終わった時、少女が腕時計を眺めて吹き込んだ。

「基本時1800時ジャスト、任務完遂。損傷軽微。実行者データ・・・なし。発言者データ・・・なし。以上、アウト。」

そこでカチリとスイッチが切れた。
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