猫のゆりかご

「あんた、12人も居てどうするのよ。」

「さあ、別段深いことは考えてませんね。」

「一体どうなってんのよ。」

「ええ、全員本業は魔剣士で、バイトが違います。
　一人目は丸の内あたりでスーツ着て歩いてるヘリオン。
　二人目は映画館のもぎりでコミックマスター。
　三人目は僕で、学生兼コンビニ店員で土蜘蛛やってます。
　四人目は朝の電車に乗っていて、僕そっくりな土蜘蛛。
　五人目は野球観戦してるエアライダー。
　六人目はゲーセンの店員で青龍拳士。
　七人目はホームセンターで材木切ってる建築士。
　八人目は休みの靖国あたりで参拝しているナイトメア適合者。
　九人目は歯医者で順番待ちをしている白燐蟲使い。
　十人目は古本屋の店員の符術士。
　十一人目はラーメン屋でテレビを見ている魔弾術師。
　十二人目はスーパーで品だししているファイアフォックスです。」

「それ、見つけられるの？」

「多分無理だとおもいます。モブですから。」

「数ヶ月に一回ってレベルでなく一生かかわらなさそうね。」

「遠くからおにいちゃんを見守っているんですよ。」

「っていうかおにいちゃんって誰よ。」

「僕にも皆目。ところでミズ・アラルディも四月一日仕様ですね。」

「ええ、まあね。ある意味違和感ない気がするわ。自分でも。オクタニトロキュバンといわないところが逆にリアル。」

「女性はボディパッカーとして優秀ですしねえ。」

「否定はしないけど別に見た目太ってるわけじゃないわよ私。失礼ね。」

「それは失礼を。しかし結構多いですよね。美術館の方々といい。」

「みんなヒマなのよ。」

「それはどうでしょうか。ノリがいいのは否定しませんけど。」